インプラント治療は、インプラント（人工の歯根）を埋め込み、人工の歯をその上に取り付ける治療法です。最近「インプラント」という言葉は一般的になってきているため、ご存知の方も多いと思います。
人工の歯を埋めるということは怖い、痛い・・・などの不安もあることと思います。

 しかし「インプラント」とは、何かを「埋める」ことを意味する言葉で、医学の世界では整形外科の人工関節などを骨に埋め込む治療で多くの実績を挙げています。
埋め込まれたインプラントは、骨と結合してしっかりと固定されます。

人間は歴史的に、失った自分の体の一部を何かで補うことを考え続けてきました。
歯においても40年以上の臨床実績があり、安心していただけると思います。

インプラント体(人工の歯根)となるインプラントは通常チタンで作られています。チタンは地球上で最もアレルギーの少ない金属と言われており、金属アレルギーの方でも特殊な場合を除き、使用していただけます。骨と結合する特性をもっており、９９％以上の高純度チタンがベストです。日本金属アレルギー学会でもチタンは人体に使用しても安全であると判断しています。

インプラント体は外科手術によって顎の骨に埋め込まれ、人工の歯をしっかり支えます。この過程は、「オステオインテグレーション」と呼び、時間が立つにつれ顎の骨がインプラント体を取り囲み、しっかりと結合し安全性を増します。

顎の骨にしっかりと固定されるインプラント治療は、ぐらついたりせず、取り外して洗う必要もないので、入れ歯などと比べてもメンテナンス面で優れています。取り付ける人工の歯も、患者さんに合わせて一本ずつ作るので、天然の歯と変わらない感覚で噛むことができ、自然で美しい歯を手に入れることができる、それがインプラント治療なのです。

【インプラント治療の流れ】

　　＜口腔内検査＞　　　治療するにあたって、まず患者さんそれぞれに合った治療計画を立てるために

　　　　　　　　　　　　　　　　レントゲン撮影・口腔内写真・型取りなどをして治療計画を立てます。

　　　　＜相談＞　　　　　　大体の治療計画を元に費用の見積もりを立てます。

　　　＜精密検査＞　　　　歯周病や噛み合わせなどの検査をします。

　　　　＜手術＞　　　　　　外科手術によりインプラント体を歯肉の下にある顎の骨の中に埋め込みます。

　　　＜経過観察＞　　　　インプラント体は人工の歯を支える役割を果たし、4〜６ヶ月ぐらいで骨組織が

　　　　　　　　　　　　　インプラント体周辺に発達し、インプラント体をしっかり固定します。

　　　　　　　　　　　　　手術後の処置部分が完全に治癒するように、消毒や抜糸を繰り返し今後の具体的な

　　　　　　　　　　　　　治療計画を立てます。

　　　　　　　　　　　　　※鎮痛剤や抗生物質を処方して、不快感を緩和させるようにすることもあります。

　　　　＜手術＞　　　　　インプラント体周辺の顎の骨が治癒した段階で、歯茎の中に埋まっている

　　　　　　　　　　　　　インプラント体の頭を出して土台を装着します。

　　 ＜仮歯の装着＞　　　インプラントが骨と結合した後に仮歯を装着します。

　　　　　　　　　　　　実際に使用して頂きながら、歯の形態や装着感などを確かめ、周囲粘膜の状態も

　　　　　　　　　　　　整えていきます。

　　　　　　　　　　　　その後、その仮歯を参考にし、色についても相談しながら本歯を作製します。

　　＜かぶせ物の装着＞　仮歯の装着で得た情報を基に最終的なかぶせの型どりをし、本歯を作製します。

　　　　　　　　　　　　作製した本歯を装着し、治療が完了します。

インプラントは、大きく分けて３つのパーツで構成されています。

・上部構造(人工の歯)
・アバットメント(土台)
・インプラント体(歯根部)

●上部構造

いわゆる「歯」の部分です。

ポーセレンを使ったセラミックの物が一般的ですが、歯ぎしりのある方や、

噛み合わせの特に強い方は噛む面を「ゴールド」などの金属で覆ったものを利用することもあります。

上部構造はセメントで固定する方法とスクリューで固定する方法があります。

●アバットメント

インプラント体の上に取り付けられる部品で上部構造を支える役目を果たします。

上部構造の種類や固定の方法によりアバットメントは色々な種類が存在します。

●インプラント体

骨と結合し、実際に歯を支える部分となり歯根の役目を果たします。

形態や骨のサイズに合わせて色々な形のインプラント体を準備しています。

人体との親和性が高いチタンでつくられていて、生体親和性が極めて高く、

金属アレルギーの患者様でも特殊な場合を除き安心して治療を受けていただけます。

一人一人の身体が違うように、インプラントについても絶対的に何年もちますとは言いかねますが、

現在のインプラントはチタン製のため、顎の骨に埋め込まれたインプラント自体の耐久性は極めて良好で、

トラブルがなければ長期的に安定した状態を保つことができます。

治療データーの統計では、10年以上を経過しても90％以上の割合で安定して使われていることが明らかになっています。

しかし、最終的な寿命は患者さん自身のお口のお手入れ状態によって決まるというのが実情です。

自分の歯と同じで、きちんと手入れしないと虫歯になるように、インプラントもしっかりケアをしないと

長期保存の可能性は低くなります。

このあたりは、口腔内衛生への関心の高さに比例すると言ってもいいと思います。

また、ケアに十分気遣っていても、年齢とともに、歯肉がやせてきたり、だ液の量が減ったりなどで、

歯周病のリスクは高まり、口腔内衛生を保つ事が難しくなるという傾向もあります。

また、当院では上部構造(人工の歯)、インプラント体(歯根部)では、補償期間は異なりますが、

保険外治療には補償期間を設けております。

補償の対象になるには、吹田インプラントセンターの定める定期検診をきちんと受け、

メンテナンスをしっかりしていることが条件となります。

上記の事から、インプラントの寿命は、定期検診(メンテナンス)に来院する事と、

毎日の歯磨きをきちんと行う事が最も重要と言えます。

• ３iインプラントについて

インプラント治療は、最近注目される機会が増えたためか、新しい治療法のように思われる方が多いかも知れません。

しかし、実はインプラント治療の歴史は結構古いのです。現在、主に用いられているインプラント体はチタンでできています。

このチタンを使ったインプラントは約４０年の歴史があります。

１９５２年にスウェーデンの医師・ブローネマルク博士が兎の脛にチタン製の器具を取り付けて観察実験を行っていた時のことです、この器具を外そうとした際、チタンと骨がくっつき、外せなくなったことで、チタンと骨の組織が拒否反応を起こさず結合する現象である、オッセオインテグレーションを発見したのです。

その後、１９６５年から臨床実験がはじまり、１９８０年代までに継続的に実験が行われました。

そうしてようやく世界中の臨床の場で行われるようになったのです。

インプラント治療は長い歴史の中で発展を続け、現在では確立した治療法とされています。

実際に世界中で数十年間に渡って行われている安全性が高く、かつ効果的な治療法なのです。